「芸術的に言えば、私は自分の事を彫刻家に似せて考えています。どの新しい演奏会のプログラムも最初はノミを入れていない石と同じであって、つまり知られざる巨匠の作品であり、その形はまだ想像することしかできないのですが、練習を重ねて作品に接していくうちに「輝き」始めるのです。解釈が成功した時、私は作曲家との結びつきをまるで何百年間も会話をしていたように感じるのです。
同じようなことが、演奏会プログラム作成時にも言えます。興味深いテーマと熟慮された作品の組み合わせは、聴衆に常に感謝を持って受け入れられます。ですから、まるで西洋音楽史のフィールドで宝捜しをしているような気分になれるのです。」